2013年2月21日木曜日

羅針盤


先日,弁護士向けのとある研修会に参加した際,経験豊かな弁護士から,駆け出しの弁護士に向けて体験談を含めた様々な話を聞かせて下さいました。
今回は,その研修の中で,ある弁護士の方が仰っていた言葉を紹介したいと思います。

その先生は,弁護士歴40年!落ち着いた物腰から見るからに重鎮!という方でした。
その方の仰っていた言葉は次の2つ。
①「金を追えば,仕事は逃げる。」
②「いつでも,どこでも,誰かが見ている。」

①の「金を追えば,仕事は逃げる。」とは,弁護士としてお金を得たければ,仕事に誠実に取り組むのが一番との意味です(あくまで私の理解ですが・・)。
お金を稼ぎたいと思うこと自体は人として自然な感情ですが,お金のためだけに仕事をやっていると,そのことを依頼者はすぐに見抜くそうです。そうなると,徐々に仕事がなくなっていく。仕事を誠実に処理していけば,その結果としてお金がついてくる(こともある)。

②「いつでも,どこでも,誰かが見ている。」とは,誠実に仕事をしていれば,そのことを見て評価してくれる人が必ずいるとの意味です(あくまで私の理解です)。
弁護士がどんなに頑張っても結論が変わらない紛争・事件もあります。そうなるとどうしも「頑張っても無駄だしな・・」との思いが出てしまう。しかし,そこで誠実に仕事をすれば,たとえ結論が変わらなかったとしても依頼者が感謝してくれたり,自分で立ち直ってくれたりする。仮に依頼者には感謝されなくても,依頼者の家族,同僚の弁護士,先輩の弁護士,その他の関係者が誠実な仕事振りを評価してくれることもある。

どのような職業でも同じでしょうが,私のまだはじまったばかりの弁護士としての日々は,迷い・悩みの連続です。そのような日々の中で,自分を見失うことのないよう,先輩から伝えられた言葉を羅針盤として大切にしていきたいと思います。
   
 弁護士U