2020年11月9日月曜日

まちだ市民大学HATSの公開講座に行ってきました!

 まちだ市民大学HATSをご存知でしょうか。まちだ市民大学は、町田市民が生涯学び続けることができるための条件づくりの一つとして1993年に開講され、地域に根差した市民のための学習ネットワークづくりを目指す町田市の開講事業です。

https://www.city.machida.tokyo.jp/bunka/bunka_geijutsu/cul/chuokominkan/kouminkan/machidasimindaigaku.html

 様々な講座が開講されていますが、その中の一つに「くらしに活きる法律」講座があります。今年度も前期に「これからのくらしと法律」をテーマに全9回の講座が開講される予定でしたが、残念ながらコロナ禍のために中止となってしまいました。

 しかし、去る9月4日、事務局の皆さまのご尽力により、上記の講座のうちの一つが公開講座として開催され、当職も受講してきました。

開講されたのは、【「生活時間アプローチ」から考える 真の働き方・生き方改革 ~職場、家庭、地域と時間資源のあり方に関するパラダイムシフト~】という講座で、講師は労働者側の立場から多数の労働事件を担当されている圷由美子弁護士です。

圷弁護士からは、名ばかり管理職事件やマタハラ事件に関与されるなどの様々な労働事件の経験からの話や、ご自身のワークライフバランスの話など具体的な話が豊富に伺え、「労働時間とは」「そもそも一人ひとりにとっての人生の「時間」の配分とは」「労働時間の代償として得られるものと失うものは何か」ということをいろいろと考えさせられました。

圷弁護士の話の中で印象的だったのは、「生活時間」から労働時間を考え直すという発想です。今までの労働関連法は、労働時間をいかに減らすか、またはいかに確保するかとの「労働時間」からの発想アプローチですが、例えば、子育て世代にとっては夕方から子どもが就寝するまでの時間を家庭のコアタイムであるとして、生活時間から労働時間を組み立てることはできないだろうかという視点は、とても新鮮でした。

「働き方」「働く時間」の問題は、労働法上の労働者であってもそれ以外の働く人にとっても、また、その家族にとっても、必ずその生活の基盤となる重要な問題です。

コロナ禍の在宅勤務の増加等により、今後ますます「働く時間」と「生活時間」の境界が曖昧になっていきます。このコロナ禍の最中は、時間が止まっているかのような錯覚に陥るもどかしい時間ではありますが、「働くこと」の意義と時間とを考え直す良い機会として捉えたいと考えた2時間でした。

                                 弁護士S

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